ミラクル診断
2018年9月5日 Magic: The Gathering コメント (3)死儀礼の禁止後、ミラクルがメタゲーム上で使用率が最も高かった時期があったが、最近は下火で、18/09/05現在、使用率は第5位(グリコン/デスシャドウ/Lands/グリデル に次ぐ使用率)になっている。
4Cレオやグリデルを死儀礼禁止前から使ってた人も禁止直後は別のデッキを使っていたが、資産面でほとんど追加投資することなく強いデッキを使える状態になったという点も少なからず作用しているのだろうとは思う(そのせいで、ラスアナが高騰しているが・・・)。
さて、今回は「死儀礼禁止後にミラクルに乗り換えた人」向けに「どのタイプのミラクルを使うべきか」という点について書いてみたいと思う。
ミラクルに乗り換えたプレイヤーが思うのは、「どのデッキをコピーしたらいいかわからない」という点だろう。
過去のグリデルではデッキの70枚以上が固定パーツで、残りの5枚もメタゲームに合わせてテキトーにいじるという形であった。
しかしながら、ミラクルは「2色か3色か」という根本的な点から始まり、「相殺をとるかとらないか」「ジェイスは何枚か」というように極めて多くのパターンが存在している。
そして、さらに問題を深刻にしているのが、各パターンによって「プレイングそのものが大きく変わる」という点だ。
フェッチの切り方から始まり、PWを使い捨てるべきか、メンターをいつ出すべきか・・・・と、デッキ構成によって正着が大きく異なる。
(本ブログではなるべくそういった複雑な部分は省いて広範なタイプに当てはまるようにはしている)
自慢になってしまうが、私自身はミラクルの勝率が6割付近で安定しており、おおむねどのタイプのミラクルも使えるとは自負しているものの、初めてミラクルを触る人が、いろんなタイプのミラクルを触って成功するのはなかなか難しいものがあるかと思う。
本記事では、そういった人のために「どんなタイプのミラクルがあるのか」「各タイプにどういった特徴があるか」という点をまとめることとする。
1.2色か3色か
2色と3色の違いは以前にも記事にしたので(http://bokuoomtg.diarynote.jp/201801222139446757/)、今回はマナ基盤についてみていこう。
ミラクルのマナ基盤についてはいくつかの観点で分類される
(2色か3色かはボルカor山の採用で決定されるので2色か3色かという部分は以下のD,Eの条件で決まる)
A:土地枚数(20or19)
B:カラカスの採用
C:ツンドラの枚数(1or2or3)
D:ボルカの採用枚数(1or2or3)
E:山の採用
それぞれについてみていこう。
A:土地枚数
まず、土地枚数だが、19枚にするときには
「定業または先触れを少なくとも3枚以上採用する」というのが条件となる。
私のこれまでの経験上、土地20枚で先触れ(or定業)なしの構成でもミラクルは運用できることを考えると
土地19枚→残り41枚のうち、3枚が先触れor定業で固定される→残りの枠は38枚
土地20枚→残り40枚は先触れor定業で固定されない
という結果となるため
「土地を19枚にすることで呪文を使うスペースは増えない」という点に注意しよう。
(もちろん、定業や先触れを呪文カウントするなら確かに増えるが、「ドロー呪文でない呪文」のカウントは増やせない)
余談ではあるが、土地19枚の構成を採用する場合は「定業を先触れより優先する」ことをオススメする。
手札に土地がないときに土地を求めに行くという点では、土地を見つけた後にすぐにセットできる定業の強い点と、
先触れの強みである「相手ターンの奇跡誘発」のオプションが環境的に弱くなっているからだ。
(天使への願いは狼狽の嵐に弱く、ソーサリータイミングでの除去を許してしまうし、最近は青いフェアデッキを意識して終末を1枚至高の評決へと差し替える構築が広がりつつあるため)
土地19枚は20枚に比べて土地が詰まるパターンが多いため、セットランドをスムーズにするというオプションは非常に大きい
---以下、蛇足---
初手7枚のうち、n枚が土地である確率は以下の通り
n 19枚の時の確率(%)/20枚の時の確率(%)/差(%)
0 5.8%/ 4.8%/ 1.0%
1 22.1%/19.9%/ 2.2%
2 33.2%/32.4%/ 0.8%
3 25.4%/27.0%/-1.6%
4 10.7%/12.4%/-1.7%
5 2.5%/ 3.1%/-0.6%
6 0.3%/ 0.4%/-0.1%
7 0.01%/0.02%/-0.01%
---蛇足終わり---
・土地が19枚のミラクルはこんな人におすすめ→ドロー呪文がいっぱい入っているのが好きな人
・土地が20枚のミラクルはこんな人におすすめ→いろんなスペルを入れたい人、土地詰まりが嫌いな人
B:カラカスの採用
カラカスの採用に関してだが、個人的には現在のミラクルでカラカスを採用するメリットについては懐疑的な立場である。
マッチアップによっては不毛の大地と基本に帰れのから、「平地以下の存在」に成り下がることがある点が大きな理由だ。
デスタクなどと違い、能動的にカラカスを活用するシチュエーションがヴェンディリオン三人衆を使用したパターンのみで、
そのプランもデッキに1枚だけのカラカスに依存するのはリスクが大きい。
サイドボードに1枚カラカスをとっているバージョンもあるが、能動的なパターンがなく「受け」のカードとして使用するなら他のカードを使用したほうがいいだろう。
特に「リアニメイトのために」カラカスをとるぐらいならその枠を使って外科的摘出を1枚多くするほうが無難だ。
(一応、カラカスは土地なので、ハンデスを食らいにくいという利点はある)
ミラクル(特に2色)は「マナ基盤が基本土地ベース」という点がそもそもの強みなので、大きなメリットがないのにその強みを消し去るのはオススメしない。
・カラカス入りのミラクルはこんな人におすすめ→ヴェンディリオン三人衆が好きで、メインに入れたい人
・カラカス無しのミラクルはこんな人におすすめ→上記以外
C:ツンドラの枚数
ツンドラの枚数はミラクルに慣れていくと減らしても何とかなるという側面があるが、それを言ってしまうとお終いなので少し指針を書く
ダブルシンボルの白のカード(議会の採決と至高の評決)はツンドラが1枚だと「島/青赤フェッチ/青赤フェッチ」という組み合わせの時に、打てない場合が発生する。
また、一度ツンドラを不毛の大地で割られてしまうと、その後の白マナの捻出に苦労して打てない場面が発生することもしばしば。
これらの点から、ツンドラが1枚の構成はフェッチの切り方についても非常に繊細な判断が求められてしまう。
2枚にすればそういった点がなくなるが、ツンドラを増やすデメリットがないわけではなく、
ツンドラを素引きしてしまって基本に帰れを打ちづらくなったり、発展の対価や不毛の大地の餌食になりやすくなる。
個人的には2枚がちょうどいい塩梅だと思っていて、多くの人におすすめできる枚数である。
今回の「どのタイプのミラクルがいいかを判断する」という観点から見た場合に、ツンドラの枚数が変わっても「使うことのできるカード群は変わらない」という点を考えると、
よっぽど特別な事情でない限りはツンドラ2枚でいいと思う。
私は基本土地を並べるのが好きなので、環境や構築が許せばツンドラ1枚にしたい派。
・ツンドラ1枚のミラクルはこんな人におすすめ→ミラクルに慣れた人、基本に帰れをメインから入れてバチバチ縛りたい人、フェッチランドの切り方を練習したい人
・ツンドラ2枚のミラクルはこんな人におすすめ→ほとんどの人
・ツンドラ3枚のミラクルはこんな人におすすめ→ミラクルを使い始めた人、ツンドラを3枚持っている人、基本に帰れをメインに採用しない人
D,E:ボルカ/山の採用枚数
結局のところ、「3色にする場合のマナ基盤」ということになるので、一つにまとめると。
3色の場合のマナ基盤は
1:山1枚
2:山1枚ボルカ1枚
3:ボルカ2枚
4:ボルカ3枚
の4パターン。
1,2の山を採用したパターンのメリットは言うまでもなく不毛の大地耐性と基本に帰れ耐性だが、メインゲームにおいて実質無色土地がデッキに入ってしまう点がデメリットで、
ボルカニックアイランドのみを採用したパターンは基本に帰れを設置したいマッチアップで、サイドボードの赤霊破や紅蓮破の回数に制限が付くというデメリットがある。
ただ、この点にも抜け道があり、「ドミナリアの英雄テフェリー」を採用した場合、「基本に帰れで自分のボルカニックアイランドが使えなくなる」という問題を解決できる。
山を採用したタイプのミラクルについてはこれまでに何回か試してみたものの、個人的にはそれほど好きになれる構成ではなかった(プレイも結構難しくなるし、山を素引きしたときのストレスがすごい)
個人的には山を採用するパターンはあまりお勧めできないが、サイドボードに山をとるパターンならまだ許容範囲
・山1枚のミラクルはこんな人におすすめ→サイドボードに空きがある人。ボルカニックアイランドを持ってない人
・山1枚ボルカ1枚のミラクルはこんな人におすすめ→基本に帰れを最大限活用したい人
・ボルカ2枚のミラクルはこんな人におすすめ→ほとんどの人、テフェリーを採用している人
・ボルカ3枚のミラクルはこんな人におすすめ→ミラクルを使い始めた人、ボルカを3枚持っている人
このまま、細かいカードを見ていくと、膨大な量になるので何回かに分けることにします。
今日はいったんここまで
4Cレオやグリデルを死儀礼禁止前から使ってた人も禁止直後は別のデッキを使っていたが、資産面でほとんど追加投資することなく強いデッキを使える状態になったという点も少なからず作用しているのだろうとは思う(そのせいで、ラスアナが高騰しているが・・・)。
さて、今回は「死儀礼禁止後にミラクルに乗り換えた人」向けに「どのタイプのミラクルを使うべきか」という点について書いてみたいと思う。
ミラクルに乗り換えたプレイヤーが思うのは、「どのデッキをコピーしたらいいかわからない」という点だろう。
過去のグリデルではデッキの70枚以上が固定パーツで、残りの5枚もメタゲームに合わせてテキトーにいじるという形であった。
しかしながら、ミラクルは「2色か3色か」という根本的な点から始まり、「相殺をとるかとらないか」「ジェイスは何枚か」というように極めて多くのパターンが存在している。
そして、さらに問題を深刻にしているのが、各パターンによって「プレイングそのものが大きく変わる」という点だ。
フェッチの切り方から始まり、PWを使い捨てるべきか、メンターをいつ出すべきか・・・・と、デッキ構成によって正着が大きく異なる。
(本ブログではなるべくそういった複雑な部分は省いて広範なタイプに当てはまるようにはしている)
自慢になってしまうが、私自身はミラクルの勝率が6割付近で安定しており、おおむねどのタイプのミラクルも使えるとは自負しているものの、初めてミラクルを触る人が、いろんなタイプのミラクルを触って成功するのはなかなか難しいものがあるかと思う。
本記事では、そういった人のために「どんなタイプのミラクルがあるのか」「各タイプにどういった特徴があるか」という点をまとめることとする。
1.2色か3色か
2色と3色の違いは以前にも記事にしたので(http://bokuoomtg.diarynote.jp/201801222139446757/)、今回はマナ基盤についてみていこう。
ミラクルのマナ基盤についてはいくつかの観点で分類される
(2色か3色かはボルカor山の採用で決定されるので2色か3色かという部分は以下のD,Eの条件で決まる)
A:土地枚数(20or19)
B:カラカスの採用
C:ツンドラの枚数(1or2or3)
D:ボルカの採用枚数(1or2or3)
E:山の採用
それぞれについてみていこう。
A:土地枚数
まず、土地枚数だが、19枚にするときには
「定業または先触れを少なくとも3枚以上採用する」というのが条件となる。
私のこれまでの経験上、土地20枚で先触れ(or定業)なしの構成でもミラクルは運用できることを考えると
土地19枚→残り41枚のうち、3枚が先触れor定業で固定される→残りの枠は38枚
土地20枚→残り40枚は先触れor定業で固定されない
という結果となるため
「土地を19枚にすることで呪文を使うスペースは増えない」という点に注意しよう。
(もちろん、定業や先触れを呪文カウントするなら確かに増えるが、「ドロー呪文でない呪文」のカウントは増やせない)
余談ではあるが、土地19枚の構成を採用する場合は「定業を先触れより優先する」ことをオススメする。
手札に土地がないときに土地を求めに行くという点では、土地を見つけた後にすぐにセットできる定業の強い点と、
先触れの強みである「相手ターンの奇跡誘発」のオプションが環境的に弱くなっているからだ。
(天使への願いは狼狽の嵐に弱く、ソーサリータイミングでの除去を許してしまうし、最近は青いフェアデッキを意識して終末を1枚至高の評決へと差し替える構築が広がりつつあるため)
土地19枚は20枚に比べて土地が詰まるパターンが多いため、セットランドをスムーズにするというオプションは非常に大きい
---以下、蛇足---
初手7枚のうち、n枚が土地である確率は以下の通り
n 19枚の時の確率(%)/20枚の時の確率(%)/差(%)
0 5.8%/ 4.8%/ 1.0%
1 22.1%/19.9%/ 2.2%
2 33.2%/32.4%/ 0.8%
3 25.4%/27.0%/-1.6%
4 10.7%/12.4%/-1.7%
5 2.5%/ 3.1%/-0.6%
6 0.3%/ 0.4%/-0.1%
7 0.01%/0.02%/-0.01%
---蛇足終わり---
・土地が19枚のミラクルはこんな人におすすめ→ドロー呪文がいっぱい入っているのが好きな人
・土地が20枚のミラクルはこんな人におすすめ→いろんなスペルを入れたい人、土地詰まりが嫌いな人
B:カラカスの採用
カラカスの採用に関してだが、個人的には現在のミラクルでカラカスを採用するメリットについては懐疑的な立場である。
マッチアップによっては不毛の大地と基本に帰れのから、「平地以下の存在」に成り下がることがある点が大きな理由だ。
デスタクなどと違い、能動的にカラカスを活用するシチュエーションがヴェンディリオン三人衆を使用したパターンのみで、
そのプランもデッキに1枚だけのカラカスに依存するのはリスクが大きい。
サイドボードに1枚カラカスをとっているバージョンもあるが、能動的なパターンがなく「受け」のカードとして使用するなら他のカードを使用したほうがいいだろう。
特に「リアニメイトのために」カラカスをとるぐらいならその枠を使って外科的摘出を1枚多くするほうが無難だ。
(一応、カラカスは土地なので、ハンデスを食らいにくいという利点はある)
ミラクル(特に2色)は「マナ基盤が基本土地ベース」という点がそもそもの強みなので、大きなメリットがないのにその強みを消し去るのはオススメしない。
・カラカス入りのミラクルはこんな人におすすめ→ヴェンディリオン三人衆が好きで、メインに入れたい人
・カラカス無しのミラクルはこんな人におすすめ→上記以外
C:ツンドラの枚数
ツンドラの枚数はミラクルに慣れていくと減らしても何とかなるという側面があるが、それを言ってしまうとお終いなので少し指針を書く
ダブルシンボルの白のカード(議会の採決と至高の評決)はツンドラが1枚だと「島/青赤フェッチ/青赤フェッチ」という組み合わせの時に、打てない場合が発生する。
また、一度ツンドラを不毛の大地で割られてしまうと、その後の白マナの捻出に苦労して打てない場面が発生することもしばしば。
これらの点から、ツンドラが1枚の構成はフェッチの切り方についても非常に繊細な判断が求められてしまう。
2枚にすればそういった点がなくなるが、ツンドラを増やすデメリットがないわけではなく、
ツンドラを素引きしてしまって基本に帰れを打ちづらくなったり、発展の対価や不毛の大地の餌食になりやすくなる。
個人的には2枚がちょうどいい塩梅だと思っていて、多くの人におすすめできる枚数である。
今回の「どのタイプのミラクルがいいかを判断する」という観点から見た場合に、ツンドラの枚数が変わっても「使うことのできるカード群は変わらない」という点を考えると、
よっぽど特別な事情でない限りはツンドラ2枚でいいと思う。
私は基本土地を並べるのが好きなので、環境や構築が許せばツンドラ1枚にしたい派。
・ツンドラ1枚のミラクルはこんな人におすすめ→ミラクルに慣れた人、基本に帰れをメインから入れてバチバチ縛りたい人、フェッチランドの切り方を練習したい人
・ツンドラ2枚のミラクルはこんな人におすすめ→ほとんどの人
・ツンドラ3枚のミラクルはこんな人におすすめ→ミラクルを使い始めた人、ツンドラを3枚持っている人、基本に帰れをメインに採用しない人
D,E:ボルカ/山の採用枚数
結局のところ、「3色にする場合のマナ基盤」ということになるので、一つにまとめると。
3色の場合のマナ基盤は
1:山1枚
2:山1枚ボルカ1枚
3:ボルカ2枚
4:ボルカ3枚
の4パターン。
1,2の山を採用したパターンのメリットは言うまでもなく不毛の大地耐性と基本に帰れ耐性だが、メインゲームにおいて実質無色土地がデッキに入ってしまう点がデメリットで、
ボルカニックアイランドのみを採用したパターンは基本に帰れを設置したいマッチアップで、サイドボードの赤霊破や紅蓮破の回数に制限が付くというデメリットがある。
ただ、この点にも抜け道があり、「ドミナリアの英雄テフェリー」を採用した場合、「基本に帰れで自分のボルカニックアイランドが使えなくなる」という問題を解決できる。
山を採用したタイプのミラクルについてはこれまでに何回か試してみたものの、個人的にはそれほど好きになれる構成ではなかった(プレイも結構難しくなるし、山を素引きしたときのストレスがすごい)
個人的には山を採用するパターンはあまりお勧めできないが、サイドボードに山をとるパターンならまだ許容範囲
・山1枚のミラクルはこんな人におすすめ→サイドボードに空きがある人。ボルカニックアイランドを持ってない人
・山1枚ボルカ1枚のミラクルはこんな人におすすめ→基本に帰れを最大限活用したい人
・ボルカ2枚のミラクルはこんな人におすすめ→ほとんどの人、テフェリーを採用している人
・ボルカ3枚のミラクルはこんな人におすすめ→ミラクルを使い始めた人、ボルカを3枚持っている人
このまま、細かいカードを見ていくと、膨大な量になるので何回かに分けることにします。
今日はいったんここまで
コメント
今月奇跡を組んだばかりで、twitterで記事をお見かけして以来勉強させてもらっています。アルーレンの対策や勝ち筋について教えていただきたいのですが、お願いできないでしょうか?
コメントありがとうございます。
確かにアルーレンについては書いてなかったので、そのうち書きます~~