ミラクルと渦まく知識
2017年12月18日ツイッタランドで渦まく知識の記事を書くと宣言したので、書きます。
1.渦まく知識というカード
この項では、渦まく知識(以下、ブレスト)の一般的(=ミラクルに限らない内容)な話をする。
ブレストというカードは、青が絡んだデッキであればほぼ100%と言って良いほど採用されており、採用される場合は4枚セットで採用されるのが基本である。
この例外はマーフォークなどの「デッキ内のカードの品質が一定」「特定のカードにデッキが依存しない」と言った特徴を持つデッキである。
多くのレガシープレイヤーが使用しているブレストと言うカードだが、非常に選択肢と柔軟性が高く、それだけ使用者によって強さが変るカードと言える。
まず、このブレストというカードが「強くなる条件」を探っていく
・フェッチなどのシャッフル手段があるとき
これは殆どのデッキで採用できるギミックで、不要配を最大2枚まで手札から排除しつつ、カードを3枚引くことが出来る。
・手札の枚数が多い時
手札の枚数が多いほど、たくさんのカードから戻すカードを決定できるため。
これは、選択肢の多さを意味しており、使用者によってブレストの強さが変ってしまうシチュエーションでもある。(ブレストの強さとは「打つタイミング」と「打った後に何を戻すか」と言う部分に左右され、そのうち後者の部分に対して使用者による差が発生する)
・ほしいカードが分かっている時
ブレストはデッキを3枚掘ることが出来るため、ほしいカードに対してアクセスする能力が高い。
例えば、青赤デルバーが僧院の速僧とデルバーのどちらか(2種8枚)を探している場合、それらを引き込む確率は、デッキ枚数が50枚として
1-C(42,3)/C(50,3)=0.41 となり、極めて高い確率で引き当てることが出来る。
これは、「デッキ内に同じ役割のカードを2種8枚入れることを強く肯定」することにもつながっている。
特に、青赤デルバーなどでは「稲妻と連鎖の稲妻」「僧院の速僧とデルバー」「FoWと目くらまし」と言った形のデッキ構成を取っており「ブレストを強く使う」構成になっているデッキの典型である。
ちなみに、コレを思案に当てはめると
1-(C(42,3)/C(50,3))*(42/50) = 0.51 となる。
モダン禁止も当然である。
・戻したいカードがあるとき
これは、デッキ内に存在していることによって利益を得ることが出来るカードとの組み合わせの時に発揮される。
例えば、石鍛冶の神秘家や戦隊の鷹といった、「デッキ内に特定のカードがあるときに利益を得られるカード」と組み合わせることで、カード1枚分(場合によっては2枚分)のアドバンテージを得ることが出来る。
・デッキトップにあるカードに意味があるとき
例えば、ボブや相殺といった「デッキトップのカードが特定の条件の時に大きな利益を得ることが出来る」と組み合わせることで強くなる。
他には終末や天使への願いと言ったカードとも相互作用が発生する。
これの変型として、チューターなどを打った場合に即座に手札に回収するといった用途がある場合にもブレストは強くなる。
・対戦相手が黒い時
相手のハンデスに対応してデッキトップに捨てさせられたくないカードを置くことはあえて言うほどでもない内容。
・ゲームの後半になった時
ここまでに上げた条件と違って、あまり認識されていない条件ではあるが、ブレストと言うカードは「ゲームの後半になればなるほど強いカード」である。
理由は、これまでに上げてきた条件である「戻したいカードがあるとき」「ほしいカードが分かっている時」がゲーム後半になればなるほど自然に達成されるからである。
(あるいは、フェッチがだぶついているという条件もゲーム後半ほど満たされやすい)
2.ミラクルとブレスト
第1項でブレストが強くなる条件に付いて述べたが、ミラクル側にとってブレストが強くなる条件は記載された内容とほとんど変わらない。
ブレストが強くなる条件の王道を積み重ねることがミラクル側にとって重要になる。
先に挙げた条件個別にミラクル側からの視点を補足する。
・フェッチなどのシャッフル手段があるとき
ミラクル側は多くのレシピに置いて、フェッチランドを8枚~9枚採用している
これ以外のシャッフル手段(あるいは、シャッフルと同等な効果を持つカード)は
廃墟の地、アズカンタの探索(変身前なら1枚、変身後なら2枚ともはじける)、予報(1枚分を弾ける)が挙げられる。
あまり採用されていないが、チューター系カード(エンチューはギリギリ見ないでもないぐらいのライン)や石鍛冶の神秘家などもシャッフル手段になる。
ここで、注意するのは思案はシャッフル手段にカウントしてはいけないということである。
思案の強さは「4枚のカードから1枚を手札に加えること」であって、コレをシャッフル手段としてしまうと、タダの1ドローになってしまうからである。
あくまで「何かをするついで」にシャッフルすることがブレストをより強くすることになる。
(アズカンタの探索の変身後の能力についても弱くなることは確かだが、アズカンタの探索の変身後の能力の目的は「インスタントタイミングでマナを支払うことで手札を増やす」ことにあり、思案の「手札の質を高める」とは本質的に違う点に注意すること)
・手札の枚数が多い時
これは、メインとサイドで若干意味が違ってくる条件になる。
-メイン戦の場合
主に、ミラクルのメインデッキは「対クリーチャーデッキ」に偏った構成になっており、対コンボ戦において弱い構成になっている。
大まかには「対クリーチャーカード」「カウンター」「アドバンテージ源」「ドロー調整用カード」「フィニッシャー」「土地」と言った6パターンのに分類され、複数の役割を持つカードは「瞬唱の魔導士(アドバンテージ源&フィニッシャー)」、「精神を刻む者、ジェイス(アドバンテージ源&フィニッシャー)」「終末(対クリーチャーカード&アドバンテージ源)」の3種のみである
(廃墟の地なども状況によっては土地かつアドバンテージ源とみなせるが、複数の役割を持つことが出来るタイミングは限られているので、ここでは複数の役割を持つカードとして扱わない)
複数の役割を持つカードが少ない以上、必然的にマッチアップごとに「不要なカード」が手札に増えてくることになる。
そのため、ブレインストームを打つ場合には可能な限り不要なカードを2枚戻すようにしたい。
ミラクル側が持つカードは役割が定まっている分だけ1:1交換を効率的に実行できるため、「相手のリソースより自分の有効配が同じかそれ以上であればブレインストームを打つ理由が無い(ブレインストームを打って有効杯を探さなくても、相手の行動を捌き切ることが出来る)」ことを理解しよう。
(要は、無駄牌が1枚しかない場合で、自分の有効配が相手のリソースと同等ならブレストを打ってはいけない。明確な無駄牌が2枚以上あるなら、さっさと打っていい)
-サイド後の場合
これは少し事情が変わってくる。
ミラクル側のサイドボード戦略は主に以下の2点である
「広いデッキに対応できるように、サイドボードは広く浅い対策を取る。」
「構造上相性差が極めて悪いマッチアップに対して劇的に刺さるカードを取る。」
後者に該当するカードは主に置物系のカードで要は基本に帰れや血染めの月と言った特殊地形対策カードを指す。(ミラクルはスペル経由で行動するデッキに対しては豊富な打消しから対応ができるが、土地から何かをするデッキ(landsやエルドラージ)についてはかなりシンドイ)
前者に該当するカードは、狼狽の嵐や摩耗/損耗、あるいはクリーチャーデッキ全般に対しての罠の橋といったカード群である。
サイドボード後はデッキ内のカードが「複数の用途を持つカード」で溢れるため、手札に「完全な無駄牌」が発生するタイミングがほとんどない。
一般的な条件に挙げたように、ブレストがデッキ内のカードにアクセスする能力が非常に高いことを考えると「ブレスト自身が複数の用途を持つカード」に代わることが出来るため「ブレストは最も対応力の高いカード」と言える。
したがって、サイド後はブレストは可能な限りギリギリまで引き付けて打つカードになる。
メイン戦では手札の無駄牌を取り除くために積極的に打つこともあるが、サイド後は「相手のアクションに対して、対応できるカードが無い時に打つ」カードになることを意識しよう。
・ほしいカードが分かっている時
ミラクル側にとってほしいカードとは「フィニッシャー」ではない。
ミラクル側はゲームが長引けば長引くほど有利になるので、フィニッシャーは相手をコントロールしきった後に素引きすればいいカードなので、ブレストを使って焦って探す必要はない。
フィニッシャーを探す役割は思案などのカードに任せること。
ただし、ミラクル側は毎ターン土地を置いていくことが最重要命題となるため(特に概ね5枚程度の土地が並ぶまでは)、土地詰まりが起きる場合には躊躇せずにブレストを使うこと。
この時、「マナがもったいないから」という理由で対戦相手のエンドに打ってはいけない。
よく、手札に土地1枚とブレストでキープと言ったパターンで、相手のエンドに打つ場面を見かけるが、基本的にはご法度である。
この点を具体的に数値化しておく。
「相手ターンのエンドに打った場合/自分のターンのメインに打った場合」のそれぞれに対して「置いた土地がフェッチ/フェッチでない場合」と「先手/後手(かつ、最初のドローが土地以外の場合)」の場合に「2枚目の土地にアクセスできる確率」を記載しておく。
(デッキ内に土地が20枚の場合)
相手のエンドに打った場合(%)/自分のメインに打った場合(%)
フェッチ, 先手 :72.9/82.9
notフェッチ, 先手 :74.0/84.2
フェッチ, 後手 :74.6/83.6
notフェッチ, 後手 :76.1/84.9
条件ごとに、違いがあるものの、概ね5~10%程確率が上がっていることが分かる。
ミラクルにとって、2ターン目に土地を置けない=死なので、こういった小さい確率を無視せずに積み重ねるようにしたい。
・戻したいカードがあるとき
前項でも書いたが、戻したいカードが明確に発生するのは主にメイン戦であり、サイド後の対戦で発生するパターンは終末や天使への願いと言った奇跡系呪文ぐらいである。
後半になればなるほど、ミラクル側は手札の品質が極めて高くなり(土地が20枚しか入っていないので、土地の無駄引きが少ない)対応力も上がるため、戻したいカードが発生するのは「複数の異なる角度で脅威を展開するデッキ」かつ「序盤」に限られる。
サイド後のゲーム後半で戻したいカードがあるからブレストを打つという状況になった場合は、サイドボード戦略を間違えている可能性があるので、試合後にでも見直した方がよい。
・デッキトップにあるカードに意味があるとき
主に、奇跡呪文(特に終末)を仕込むことに使うが、それ以外でも予報や相殺のために使用することが出来る。
ただし、予報については「思案でもブレストと同等の役割が可能」であるため、思案を使える場面では思案を頼った方がいい。
基本的に ブレスト>>>>思案 と言った強さなので、思案で代用できる部分は思案で代用すること。
・対戦相手が黒い時
主に、陰謀団式療法などの指定系とデュレスなどの選択系の2種類で別れる
指定系
2枚落とされるのが痛いため、手札に存在することが分かっている(あるいはかなり高い確率で存在することが分かっている)カードが複数枚ある場合(相手が手札を見たときに1枚しかなく、その後2枚に重なった場合も同様)は、内1枚を隠すのが無難。アドを取られないようにする。
選択系
「相手の選択肢を減らす」ことを重視するため、指定系とは異なり、2枚重なったカードを無理にブレストで隠すことはしない。
ただし、例外として「あるか無いかで大きく動きが変わるカード」であれば、1枚をデッキトップに隠して、次のターンでたたきつけるプランを取っても良い。
具体的には瞬唱の魔導士、僧院の導師、神ジェイスの3枚で、それ以外を無理に隠すことはほぼ無い
・ゲームの後半になった時
ブレストを打つのを我慢できるようになるというよりも、どうやればブレストを温存できるかと言うことが重要で、そのためには「手持ちのリソースで捌くためにはどうすればいいか」と言うことにつきます。
コレについては一言では言えないので、ここでは書きません(というより、それこそがミラクルと言うデッキを突き詰めることなのかなと思います)
1.渦まく知識というカード
この項では、渦まく知識(以下、ブレスト)の一般的(=ミラクルに限らない内容)な話をする。
ブレストというカードは、青が絡んだデッキであればほぼ100%と言って良いほど採用されており、採用される場合は4枚セットで採用されるのが基本である。
この例外はマーフォークなどの「デッキ内のカードの品質が一定」「特定のカードにデッキが依存しない」と言った特徴を持つデッキである。
多くのレガシープレイヤーが使用しているブレストと言うカードだが、非常に選択肢と柔軟性が高く、それだけ使用者によって強さが変るカードと言える。
まず、このブレストというカードが「強くなる条件」を探っていく
・フェッチなどのシャッフル手段があるとき
これは殆どのデッキで採用できるギミックで、不要配を最大2枚まで手札から排除しつつ、カードを3枚引くことが出来る。
・手札の枚数が多い時
手札の枚数が多いほど、たくさんのカードから戻すカードを決定できるため。
これは、選択肢の多さを意味しており、使用者によってブレストの強さが変ってしまうシチュエーションでもある。(ブレストの強さとは「打つタイミング」と「打った後に何を戻すか」と言う部分に左右され、そのうち後者の部分に対して使用者による差が発生する)
・ほしいカードが分かっている時
ブレストはデッキを3枚掘ることが出来るため、ほしいカードに対してアクセスする能力が高い。
例えば、青赤デルバーが僧院の速僧とデルバーのどちらか(2種8枚)を探している場合、それらを引き込む確率は、デッキ枚数が50枚として
1-C(42,3)/C(50,3)=0.41 となり、極めて高い確率で引き当てることが出来る。
これは、「デッキ内に同じ役割のカードを2種8枚入れることを強く肯定」することにもつながっている。
特に、青赤デルバーなどでは「稲妻と連鎖の稲妻」「僧院の速僧とデルバー」「FoWと目くらまし」と言った形のデッキ構成を取っており「ブレストを強く使う」構成になっているデッキの典型である。
ちなみに、コレを思案に当てはめると
1-(C(42,3)/C(50,3))*(42/50) = 0.51 となる。
モダン禁止も当然である。
・戻したいカードがあるとき
これは、デッキ内に存在していることによって利益を得ることが出来るカードとの組み合わせの時に発揮される。
例えば、石鍛冶の神秘家や戦隊の鷹といった、「デッキ内に特定のカードがあるときに利益を得られるカード」と組み合わせることで、カード1枚分(場合によっては2枚分)のアドバンテージを得ることが出来る。
・デッキトップにあるカードに意味があるとき
例えば、ボブや相殺といった「デッキトップのカードが特定の条件の時に大きな利益を得ることが出来る」と組み合わせることで強くなる。
他には終末や天使への願いと言ったカードとも相互作用が発生する。
これの変型として、チューターなどを打った場合に即座に手札に回収するといった用途がある場合にもブレストは強くなる。
・対戦相手が黒い時
相手のハンデスに対応してデッキトップに捨てさせられたくないカードを置くことはあえて言うほどでもない内容。
・ゲームの後半になった時
ここまでに上げた条件と違って、あまり認識されていない条件ではあるが、ブレストと言うカードは「ゲームの後半になればなるほど強いカード」である。
理由は、これまでに上げてきた条件である「戻したいカードがあるとき」「ほしいカードが分かっている時」がゲーム後半になればなるほど自然に達成されるからである。
(あるいは、フェッチがだぶついているという条件もゲーム後半ほど満たされやすい)
2.ミラクルとブレスト
第1項でブレストが強くなる条件に付いて述べたが、ミラクル側にとってブレストが強くなる条件は記載された内容とほとんど変わらない。
ブレストが強くなる条件の王道を積み重ねることがミラクル側にとって重要になる。
先に挙げた条件個別にミラクル側からの視点を補足する。
・フェッチなどのシャッフル手段があるとき
ミラクル側は多くのレシピに置いて、フェッチランドを8枚~9枚採用している
これ以外のシャッフル手段(あるいは、シャッフルと同等な効果を持つカード)は
廃墟の地、アズカンタの探索(変身前なら1枚、変身後なら2枚ともはじける)、予報(1枚分を弾ける)が挙げられる。
あまり採用されていないが、チューター系カード(エンチューはギリギリ見ないでもないぐらいのライン)や石鍛冶の神秘家などもシャッフル手段になる。
ここで、注意するのは思案はシャッフル手段にカウントしてはいけないということである。
思案の強さは「4枚のカードから1枚を手札に加えること」であって、コレをシャッフル手段としてしまうと、タダの1ドローになってしまうからである。
あくまで「何かをするついで」にシャッフルすることがブレストをより強くすることになる。
(アズカンタの探索の変身後の能力についても弱くなることは確かだが、アズカンタの探索の変身後の能力の目的は「インスタントタイミングでマナを支払うことで手札を増やす」ことにあり、思案の「手札の質を高める」とは本質的に違う点に注意すること)
・手札の枚数が多い時
これは、メインとサイドで若干意味が違ってくる条件になる。
-メイン戦の場合
主に、ミラクルのメインデッキは「対クリーチャーデッキ」に偏った構成になっており、対コンボ戦において弱い構成になっている。
大まかには「対クリーチャーカード」「カウンター」「アドバンテージ源」「ドロー調整用カード」「フィニッシャー」「土地」と言った6パターンのに分類され、複数の役割を持つカードは「瞬唱の魔導士(アドバンテージ源&フィニッシャー)」、「精神を刻む者、ジェイス(アドバンテージ源&フィニッシャー)」「終末(対クリーチャーカード&アドバンテージ源)」の3種のみである
(廃墟の地なども状況によっては土地かつアドバンテージ源とみなせるが、複数の役割を持つことが出来るタイミングは限られているので、ここでは複数の役割を持つカードとして扱わない)
複数の役割を持つカードが少ない以上、必然的にマッチアップごとに「不要なカード」が手札に増えてくることになる。
そのため、ブレインストームを打つ場合には可能な限り不要なカードを2枚戻すようにしたい。
ミラクル側が持つカードは役割が定まっている分だけ1:1交換を効率的に実行できるため、「相手のリソースより自分の有効配が同じかそれ以上であればブレインストームを打つ理由が無い(ブレインストームを打って有効杯を探さなくても、相手の行動を捌き切ることが出来る)」ことを理解しよう。
(要は、無駄牌が1枚しかない場合で、自分の有効配が相手のリソースと同等ならブレストを打ってはいけない。明確な無駄牌が2枚以上あるなら、さっさと打っていい)
-サイド後の場合
これは少し事情が変わってくる。
ミラクル側のサイドボード戦略は主に以下の2点である
「広いデッキに対応できるように、サイドボードは広く浅い対策を取る。」
「構造上相性差が極めて悪いマッチアップに対して劇的に刺さるカードを取る。」
後者に該当するカードは主に置物系のカードで要は基本に帰れや血染めの月と言った特殊地形対策カードを指す。(ミラクルはスペル経由で行動するデッキに対しては豊富な打消しから対応ができるが、土地から何かをするデッキ(landsやエルドラージ)についてはかなりシンドイ)
前者に該当するカードは、狼狽の嵐や摩耗/損耗、あるいはクリーチャーデッキ全般に対しての罠の橋といったカード群である。
サイドボード後はデッキ内のカードが「複数の用途を持つカード」で溢れるため、手札に「完全な無駄牌」が発生するタイミングがほとんどない。
一般的な条件に挙げたように、ブレストがデッキ内のカードにアクセスする能力が非常に高いことを考えると「ブレスト自身が複数の用途を持つカード」に代わることが出来るため「ブレストは最も対応力の高いカード」と言える。
したがって、サイド後はブレストは可能な限りギリギリまで引き付けて打つカードになる。
メイン戦では手札の無駄牌を取り除くために積極的に打つこともあるが、サイド後は「相手のアクションに対して、対応できるカードが無い時に打つ」カードになることを意識しよう。
・ほしいカードが分かっている時
ミラクル側にとってほしいカードとは「フィニッシャー」ではない。
ミラクル側はゲームが長引けば長引くほど有利になるので、フィニッシャーは相手をコントロールしきった後に素引きすればいいカードなので、ブレストを使って焦って探す必要はない。
フィニッシャーを探す役割は思案などのカードに任せること。
ただし、ミラクル側は毎ターン土地を置いていくことが最重要命題となるため(特に概ね5枚程度の土地が並ぶまでは)、土地詰まりが起きる場合には躊躇せずにブレストを使うこと。
この時、「マナがもったいないから」という理由で対戦相手のエンドに打ってはいけない。
よく、手札に土地1枚とブレストでキープと言ったパターンで、相手のエンドに打つ場面を見かけるが、基本的にはご法度である。
この点を具体的に数値化しておく。
「相手ターンのエンドに打った場合/自分のターンのメインに打った場合」のそれぞれに対して「置いた土地がフェッチ/フェッチでない場合」と「先手/後手(かつ、最初のドローが土地以外の場合)」の場合に「2枚目の土地にアクセスできる確率」を記載しておく。
(デッキ内に土地が20枚の場合)
相手のエンドに打った場合(%)/自分のメインに打った場合(%)
フェッチ, 先手 :72.9/82.9
notフェッチ, 先手 :74.0/84.2
フェッチ, 後手 :74.6/83.6
notフェッチ, 後手 :76.1/84.9
条件ごとに、違いがあるものの、概ね5~10%程確率が上がっていることが分かる。
ミラクルにとって、2ターン目に土地を置けない=死なので、こういった小さい確率を無視せずに積み重ねるようにしたい。
・戻したいカードがあるとき
前項でも書いたが、戻したいカードが明確に発生するのは主にメイン戦であり、サイド後の対戦で発生するパターンは終末や天使への願いと言った奇跡系呪文ぐらいである。
後半になればなるほど、ミラクル側は手札の品質が極めて高くなり(土地が20枚しか入っていないので、土地の無駄引きが少ない)対応力も上がるため、戻したいカードが発生するのは「複数の異なる角度で脅威を展開するデッキ」かつ「序盤」に限られる。
サイド後のゲーム後半で戻したいカードがあるからブレストを打つという状況になった場合は、サイドボード戦略を間違えている可能性があるので、試合後にでも見直した方がよい。
・デッキトップにあるカードに意味があるとき
主に、奇跡呪文(特に終末)を仕込むことに使うが、それ以外でも予報や相殺のために使用することが出来る。
ただし、予報については「思案でもブレストと同等の役割が可能」であるため、思案を使える場面では思案を頼った方がいい。
基本的に ブレスト>>>>思案 と言った強さなので、思案で代用できる部分は思案で代用すること。
・対戦相手が黒い時
主に、陰謀団式療法などの指定系とデュレスなどの選択系の2種類で別れる
指定系
2枚落とされるのが痛いため、手札に存在することが分かっている(あるいはかなり高い確率で存在することが分かっている)カードが複数枚ある場合(相手が手札を見たときに1枚しかなく、その後2枚に重なった場合も同様)は、内1枚を隠すのが無難。アドを取られないようにする。
選択系
「相手の選択肢を減らす」ことを重視するため、指定系とは異なり、2枚重なったカードを無理にブレストで隠すことはしない。
ただし、例外として「あるか無いかで大きく動きが変わるカード」であれば、1枚をデッキトップに隠して、次のターンでたたきつけるプランを取っても良い。
具体的には瞬唱の魔導士、僧院の導師、神ジェイスの3枚で、それ以外を無理に隠すことはほぼ無い
・ゲームの後半になった時
ブレストを打つのを我慢できるようになるというよりも、どうやればブレストを温存できるかと言うことが重要で、そのためには「手持ちのリソースで捌くためにはどうすればいいか」と言うことにつきます。
コレについては一言では言えないので、ここでは書きません(というより、それこそがミラクルと言うデッキを突き詰めることなのかなと思います)
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