レガシーのカードプールは広大なので、自分がこれまで戦ったことの無い相手に当る場合も多々ある。
そういった中で、ミラクル側がどう立ち回るかを書いておく。
ローグ戦でメインを落としてしまうことは仕方ないので、サイドボード戦略を中心に説明する。

ローグに分類されるデッキは無数にあるものの、いくつかの分類に落とし込んで、それぞれの分類ごとに対応策を示そうと思う。
今回は部族系ローグに焦点を絞る。

部族系ローグとは
ある特定の部族(クリーチャータイプ)に焦点を当てたデッキ。ゴブリンやマーフォークに加えてデスタクなんかも人間中心のデッキなのでこのあたりに入る。
(ゴブリン、マーフォーク、デスタクは決してローグではないが)
部族系ローグの基本戦略は
1.霊気の薬瓶による展開
2.魂の洞窟による打消しの否定
3.ロードによる打点の強化
の3本柱である。コレに加えて
4.各種ヘイトベアーによる行動制限
5.特殊地形に対する攻撃
の2点のプランが取られる場合がある。
(補足すると、5の特殊地形に対する攻撃というのは、部族系デッキが往々にして単色構成をとることが出来るという点から「血染めの月」「基本に帰れ」と言ったカードを取るパターンがあるということである。また、色マナのトラブルが少ないので不毛の大地やリシャーダの港を使用する場合もある。)

これらの各戦略について順にみていき、サイドボーディングのプランを説明する。

1.霊気の薬瓶による展開
部族系デッキで霊気の薬瓶を使用する理由はいくつかあるが、大きなものは以下の3通り
・打消し回避
・マナトラブルへの受け
・コンバット面のアドバンテージ
このうち、特にマナトラブルへの受けについてだが、霊気の薬瓶はマナスクリューとマナフラッドの両方の受けになるということを指している。
マナスクリューへの受けはともかく、マナフラッドの受けとはどういうことかというと、
霊気の薬瓶のおかげでリシャーダの港の起動マナを捻出できる。あるいは不毛の大地を積極的に打つことが出来るようになるという意味である。
また、霊気の薬瓶のおかげで色マナが無くて展開できないということも避けられる。つまり、霊気の薬瓶を採用しているデッキではリシャーダの港や不毛の大地をたくさん積むことのリスクが低減されることになる(マーフォークはダブルシンボルが多すぎるのでこれの例外に入る)
このことから、部族系ローグで霊気の薬瓶が見えた場合「リシャーダの港と不毛の大地が4枚ずつ入っている」という前提で動く必要がある。
つまり、フェッチからはなるべく基本土地を持ってくるべきだし、終末を打ちたいのに打てないという状況を防ぐため(アップキープに白マナが全部つぶされるのを防ぐ)にフェッチで安易に平地を持ってこず、剣鍬でしのげる間は平地を1枚だけにしておくのが無難。
また、ブレインストームや予報を安易に連打せず、アップキープのリシャーダの港起動に合わせて終末の奇跡を誘発させる構えを忘れないようにすること。
部族系ローグで終末を使って3枚以上カードを巻き込めば後はジェイスで着地して剣鋤を1~2回唱えれば勝利は目前なのでこの部分は丁寧に動きたい。
サイドボードプランは大体以下の通り
IN 真髄の針, ヴェンディリオン三人衆, 摩耗/損耗
OUT 対抗呪文, 呪文嵌め

2.魂の洞窟による打消しの否定
これはミラクルにとって大きな鬼門の一つ。打消しの否定と合わせて虚空の盃を使うパターンもあるが、これはプリズン系ローグについて書くときに説明することとしよう。
魂の洞窟を使う理由は主に2点
・打消しを防ぐため
・色マナトラブルを防ぐため
である。
ミラクル側からすると辛い部分ではあるものの、部族系ローグの弱点として「1マナソーサリー・インスタントの連打が出来ない」というものがある。
魂の洞窟というのは部族系デッキに対するボーナスである一方で、思案やブレスト、思考囲いと言ったドロー調整, ハンデスカードの使用が難しくなっている。
このことは部族系デッキの「コンボへの耐性の低さ」を示しており、彼らはこれに対する解答として「ヘイトベアー」「アーティファクトを使った妨害」を主軸に置く構成をとることが多い。
よって、このようなカードに対する対応手段をサイドボード後は大目に積むことになる。
サイドボードプランは大体以下の通り
IN 摩耗/損耗, 真髄の針, イゼットの静電術士
OUT 対抗呪文, 呪文嵌め
(補足:イゼットの静電術士はタフネスが低いヘイトベアーへのアンチカードである。特に、「スレイベンの勇者、サリア」が狙い所)

3.ロードによる打点の強化
ロードによる打点の強化はマーフォークやゴブリンと対戦すればわかることではあるが、ロードを優先的に除去していくことを至上命題として動くことがミラクル側の使命になることを意味している。
ロードによるクリーチャー戦略は面での展開を後押しするため、終末を打つことが重要になることと、ゲームを早いターンで終了させる方向に部族系ローグデッキの構築を後押しする。
なので、ミラクル側はクリーチャーをとにかく捌くことが重要になるため、終末を素引きした場合はクリーチャーが1対しかいなくても積極的に打っていきたい。
特に重要なのが瞬唱の使い方で、よっぽどの理由が無い限りはブレストや思案と言ったカードにFBを与えるのではなく、剣鍬を打つ回数を増やす方向に使用すること。
剣鍬を打った回数が重要になってくるので、「土地を探すために無理に瞬唱を消費する」のはNG、土地が3枚(できれば島島平地の組み合わせ)が揃ったら、その後は土地を素引きするのを待つ形をとること。

サイドボードプランは大体以下の通り
IN 罠の橋, ゼンディカーの同盟者ギデオン
OUT 議会の採決, 精神を刻む者、ジェイス

4.各種ヘイトベアーによる行動制限
主に白系の部族デッキに多いが、多くのヘイトベアは有名なカードばかりなので、デスタクなどの相手をしておけば、ヘイトベアの対策で間違えることは無いだろう。
ミラクルにとって致命的なヘイトベアは以下の4種
・スレイベンの勇者、サリア
・聖域の僧院長
・翻弄する魔導士
・ガドック・ティーグ
翻弄する魔導士と、聖域の僧院長についてはそもそも剣鋤を唱えさせてくれないので、複数展開されて剣鋤と終末を抑えられる前にさっさと処理してしまうこと。
サイドボードから入れたいカードは以下の通り
イゼットの静電術士(対サリア), 紅蓮破(対翻弄する魔導士)

5.特殊地形に対する攻撃
コレについては、ミラクル側は殆ど気にしなくていい。
フェッチから持ってくる土地として基本土地を優先するだけで対応できるからである。

ここまでをまとめると、以下のようになる
1.霊気の薬瓶を使う場合、不毛の大地やリシャーダの港も採用されている場合があるので、基本土地を優先して持ってきたり、終末用の白マナが枯渇しないようにする
2.魂の洞窟を使う場合、軽いドロースペルやハンデスを使いにくくなるためコンボデッキへの対策としてヘイトベアーやアーティファクトによる妨害が採用されやすい。したがって、サイドボードプランはアーティファクト破壊やヘイトベアー対策を意識する。
3.ロードによる打点強化をメインにおいている場合は終末を惜しまず積極的に打とう。また、瞬唱では剣鋤を優先して使いまわす事。土地は3枚揃ったら無理に探さず通常ドローに任せよう。
4.ヘイトベアーによる行動制限を用いてくる場合は、複数体の展開を防ぐことを意識しよう。
5.特殊地形対策を利用する可能性を考慮して、特に、メイン戦では基本土地から優先してもってこよう。(サイド後は特殊地形対策を抜かれてる場合がある)

こんなところですかね



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