ミラクルと廃墟の地
2017年12月1日 Magic: The Gatheringイクサランがミラクルにもたらした影響として、多くの人が「アズカンタの探索」を挙げると思う。
だが、私としてはアズカンタの探索と同じぐらい(もしかしたらそれ以上の)影響を与えたカードとして、廃墟の地を推したい。
今回は、廃墟の地というカードをミラクル使いとしてみたときの内容を書こうと思う。
1:ミラクルの弱点
そもそも、ミラクルとはどういうデッキだろうか。
・思案とブレストによるドロー、手札の質のコントロール
・対抗呪文やFoWなどによるカウンター
・神ジェイスによるコントロール
・僧院の導師による速やかなゲームエンド
・終末や至高の評決によるボードクリア
・議会の採決や予期せぬ不在によるパーマネント対応
・予報によるアドバンテージの確保
これら全てが合わさって、最強に見えないだろうか?
しかし、ミラクルは覇権を取れていない。
その理由は「土地への対応ができない」というもので、致命的な土地がいくつか存在する。
具体的には「魂の洞窟」「すべてを護るもの、母聖樹」「ウギンの目」の3種類で、特に魂の洞窟は多くのデッキに搭載されるメジャーな「対コントロール」カードだ。
2:不毛の大地というカード
しかし、レガシーにはこういった土地を咎めるカードがあり、それが不毛の大地なのだが、これまでのミラクルでは不毛の大地が採用されていない。それはなぜかというと、
「土地を伸ばして大量のマナから一気にまくり返す」というのがミラクルの基本戦術だからだ。
したがって、自ら土地を減らしていく(相手の土地が減るとしても)行為はミラクルにとっては到底許容できないものだったのである。
もう少し付け加えると、ミラクルというデッキは終末や予報で稼いだアドバンテージを土地に変換し、その土地から出たマナでさらなるアドバンテージを稼ぎ、最後に相手を押しつぶすデッキで、他のデッキよりも「土地をアドバンテージに変換する(大量のマナをアドバンテージに変える)」機能が極めて高い。なので、ロングゲームに持ち込んで「土地をドローする=ディスアドバンテージ」という状況に相手を追い込んでフィニッシュするのがミラクルの普遍的な勝ちパターンでその状態で、「相手の土地(無駄ドロー)を自分のカード1枚と交換」というのは割に合わないのだ。
また、不毛の大地は無色マナしか出せず、1マナのカードが多いミラクルにとってはマナ源としても使いにくかったため、これまでミラクルでは不毛の大地が使用されていなかった。
3:廃墟の地の登場。
ココまでをまとめると
・ミラクルは土地以外のパーマネントについては非常に対応力が高い。
・不毛の大地はミラクルの「土地を伸ばす」「ロングゲームに持ち込む」という戦術にあっていない。
という2点の問題があった。
しかし、イクサランで廃墟の地が登場し、この2つの問題が解決されたのである。
廃墟の地はその能力によって基本土地をデッキから持ってくるので、自分の土地が減ることは無い。また、廃墟の地は不毛の大地耐性も持っており、相手の不毛の大地にスタックして起動できるためターゲットとなりにくい。
つまり、
・呪文で土地に対処しようとすると赤いカードがほしい。
・赤いカードを多用すると、ボルカを持ってくる機会が増え不毛の大地にもろくなる
と言った弱点を補ってくれる。
青白というカラーリングではできなかったことを多色化のリスクを負うことなく達成できるようにしてくれたのである。
4:廃墟の地の使い方
この項では廃墟の地の使い方を書く
・特殊土地対策として
基本的な使い方。細かいテクニックなどは不毛の大地で蓄積されているので、それに沿った使い方をすればよい。
青黒系のアンシーに頼っているデッキに対してはアンシーを割ってサージカルで抜くといった動きをミラクル側が取れるようになる。
・基本土地のサーチ方法として
ミラクルではフェッチが8~9枚採用されており、その内訳は
青白フェッチ4枚、青系フェッチ3~4枚、乾燥台地1枚が主流である。
この点から「基本島」にはアクセスしやすいが「基本平地」にはアクセスしにくいという弱点を持つ。
廃墟の地を入れることで、「基本平地」へのアクセス手段を増やすことが出来るようになる。
・自分のシャッフル手段として
ブレストやジェイスの±0能力、思案を打った後など、ライブラリをシャッフルしたいタイミングはミラクルでは頻繁に発生するが、その際の「ライフロスの無いシャッフル手段」として使用できる。
・相手のシャッフル手段として
廃墟の地の能力では基本土地が有ろうとなかろうと「シャッフルは強制的に発生する」(基本土地を置くのは任意だが、探すのは強制)
よって、コンボデッキのチューター能力をつぶすことが出来る。
また、予期せぬ不在と組み合わせることで相手のパーマネントに対する恒久対策にもなる。
また、私は採用していないが、先触れなどでも3枚見たうちの1枚だけ引かせるといった方法を取ることが出来る。
ミラクル、同系でも相手の予報に対して打つといったプレイングでアドバンテージ合戦を制することも可能。
とはいえ、見えているシャッフル手段なので、相手の行動を制限する程度のところに落ち着くと思う。しばらくは初見殺しが出来るとは思うが・・・
もう少し細かいところだと、相手が思案を打って、フェッチを置いたのにシャッフルすることなくドローしようとしたときとかにも打っていいと思う。
・アドバンテージ源として
エルドラージやグリデルなど、基本土地を採用していないデッキでは単に打つだけでカード1枚分のアドバンテージを得ることが出来る。特に、土地2枚で止まっているグリデルに打てばそれだけで相手の動きを大幅に制限できることになる。
レガシーではミラクルやnicfit以外のデッキでは基本土地を2枚ぐらいしか採用していないので、血染めの月や基本に帰れを警戒して基本土地を2枚持ってきた相手に対しては打つだけでアドバンテージ差を得ることが出来る。もし、3枚目の基本土地を持ってこられても、アドバンテージは失わないし、メインの間に基本土地が3枚入っていることが分かれば、そういったデッキ相手にはサイドの血染めの月や基本に帰れを入れないという選択肢もできるのでそれほど悪くはない。
まだまだ使い始めて1ヶ月も経っていない状態ですが、新しいテクニックを見つけたらここかツイッターあたりで流したいなぁとは思っています。
廃墟の地に関しては、今後のミラクルのスタンダードとなることはまず間違いないと断言できます。
もし、そうなったら最初に目を付けてたのは俺なんだぞ!ということでよろしくお願いします。
だが、私としてはアズカンタの探索と同じぐらい(もしかしたらそれ以上の)影響を与えたカードとして、廃墟の地を推したい。
今回は、廃墟の地というカードをミラクル使いとしてみたときの内容を書こうと思う。
1:ミラクルの弱点
そもそも、ミラクルとはどういうデッキだろうか。
・思案とブレストによるドロー、手札の質のコントロール
・対抗呪文やFoWなどによるカウンター
・神ジェイスによるコントロール
・僧院の導師による速やかなゲームエンド
・終末や至高の評決によるボードクリア
・議会の採決や予期せぬ不在によるパーマネント対応
・予報によるアドバンテージの確保
これら全てが合わさって、最強に見えないだろうか?
しかし、ミラクルは覇権を取れていない。
その理由は「土地への対応ができない」というもので、致命的な土地がいくつか存在する。
具体的には「魂の洞窟」「すべてを護るもの、母聖樹」「ウギンの目」の3種類で、特に魂の洞窟は多くのデッキに搭載されるメジャーな「対コントロール」カードだ。
2:不毛の大地というカード
しかし、レガシーにはこういった土地を咎めるカードがあり、それが不毛の大地なのだが、これまでのミラクルでは不毛の大地が採用されていない。それはなぜかというと、
「土地を伸ばして大量のマナから一気にまくり返す」というのがミラクルの基本戦術だからだ。
したがって、自ら土地を減らしていく(相手の土地が減るとしても)行為はミラクルにとっては到底許容できないものだったのである。
もう少し付け加えると、ミラクルというデッキは終末や予報で稼いだアドバンテージを土地に変換し、その土地から出たマナでさらなるアドバンテージを稼ぎ、最後に相手を押しつぶすデッキで、他のデッキよりも「土地をアドバンテージに変換する(大量のマナをアドバンテージに変える)」機能が極めて高い。なので、ロングゲームに持ち込んで「土地をドローする=ディスアドバンテージ」という状況に相手を追い込んでフィニッシュするのがミラクルの普遍的な勝ちパターンでその状態で、「相手の土地(無駄ドロー)を自分のカード1枚と交換」というのは割に合わないのだ。
また、不毛の大地は無色マナしか出せず、1マナのカードが多いミラクルにとってはマナ源としても使いにくかったため、これまでミラクルでは不毛の大地が使用されていなかった。
3:廃墟の地の登場。
ココまでをまとめると
・ミラクルは土地以外のパーマネントについては非常に対応力が高い。
・不毛の大地はミラクルの「土地を伸ばす」「ロングゲームに持ち込む」という戦術にあっていない。
という2点の問題があった。
しかし、イクサランで廃墟の地が登場し、この2つの問題が解決されたのである。
廃墟の地はその能力によって基本土地をデッキから持ってくるので、自分の土地が減ることは無い。また、廃墟の地は不毛の大地耐性も持っており、相手の不毛の大地にスタックして起動できるためターゲットとなりにくい。
つまり、
・呪文で土地に対処しようとすると赤いカードがほしい。
・赤いカードを多用すると、ボルカを持ってくる機会が増え不毛の大地にもろくなる
と言った弱点を補ってくれる。
青白というカラーリングではできなかったことを多色化のリスクを負うことなく達成できるようにしてくれたのである。
4:廃墟の地の使い方
この項では廃墟の地の使い方を書く
・特殊土地対策として
基本的な使い方。細かいテクニックなどは不毛の大地で蓄積されているので、それに沿った使い方をすればよい。
青黒系のアンシーに頼っているデッキに対してはアンシーを割ってサージカルで抜くといった動きをミラクル側が取れるようになる。
・基本土地のサーチ方法として
ミラクルではフェッチが8~9枚採用されており、その内訳は
青白フェッチ4枚、青系フェッチ3~4枚、乾燥台地1枚が主流である。
この点から「基本島」にはアクセスしやすいが「基本平地」にはアクセスしにくいという弱点を持つ。
廃墟の地を入れることで、「基本平地」へのアクセス手段を増やすことが出来るようになる。
・自分のシャッフル手段として
ブレストやジェイスの±0能力、思案を打った後など、ライブラリをシャッフルしたいタイミングはミラクルでは頻繁に発生するが、その際の「ライフロスの無いシャッフル手段」として使用できる。
・相手のシャッフル手段として
廃墟の地の能力では基本土地が有ろうとなかろうと「シャッフルは強制的に発生する」(基本土地を置くのは任意だが、探すのは強制)
よって、コンボデッキのチューター能力をつぶすことが出来る。
また、予期せぬ不在と組み合わせることで相手のパーマネントに対する恒久対策にもなる。
また、私は採用していないが、先触れなどでも3枚見たうちの1枚だけ引かせるといった方法を取ることが出来る。
ミラクル、同系でも相手の予報に対して打つといったプレイングでアドバンテージ合戦を制することも可能。
とはいえ、見えているシャッフル手段なので、相手の行動を制限する程度のところに落ち着くと思う。しばらくは初見殺しが出来るとは思うが・・・
もう少し細かいところだと、相手が思案を打って、フェッチを置いたのにシャッフルすることなくドローしようとしたときとかにも打っていいと思う。
・アドバンテージ源として
エルドラージやグリデルなど、基本土地を採用していないデッキでは単に打つだけでカード1枚分のアドバンテージを得ることが出来る。特に、土地2枚で止まっているグリデルに打てばそれだけで相手の動きを大幅に制限できることになる。
レガシーではミラクルやnicfit以外のデッキでは基本土地を2枚ぐらいしか採用していないので、血染めの月や基本に帰れを警戒して基本土地を2枚持ってきた相手に対しては打つだけでアドバンテージ差を得ることが出来る。もし、3枚目の基本土地を持ってこられても、アドバンテージは失わないし、メインの間に基本土地が3枚入っていることが分かれば、そういったデッキ相手にはサイドの血染めの月や基本に帰れを入れないという選択肢もできるのでそれほど悪くはない。
まだまだ使い始めて1ヶ月も経っていない状態ですが、新しいテクニックを見つけたらここかツイッターあたりで流したいなぁとは思っています。
廃墟の地に関しては、今後のミラクルのスタンダードとなることはまず間違いないと断言できます。
もし、そうなったら最初に目を付けてたのは俺なんだぞ!ということでよろしくお願いします。
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